最低、返還が目的である以上あの島に立ち寄る必要があり、
その際、偵察隊に知られてしまっては非常に不味い事になる。
「まあ、何処にとっても不幸な事になりますね。」
言うまでもないな。
「偵察隊の目を盗んで、と言う事はできませんか?
我々は既に待機係を2人送り込む事ができていますし、あの島は広いそうですから、十分余地は…」
ありえん。陸路を使うなら警備隊もどうにかしなければならんが、
帆船1隻すら気づかれずに入れるのは困難だ。
それに、万一待機係が誰かを捕まえたら、行きの事も考えなければならない。
「と、なると、偵察隊は無力化しておいた方がいいですね。」
「偵察隊だけじゃない、恐らく流星軍もいくつかの部隊を当てているだろう。」
主力は偵察隊のようだ、少なくとも他は影も見せん…。
数ヶ月前に見られたのが最後だ。
「影に徹する、と言う訳ですか。厄介な。」
「実力で排除する事はできませんか?腕利きを送ってこちらの協力員と合同で…」
それもありえん。派手な事をやらかせば間違いなく警戒されるし、あちらは命令書1枚でいくらでも増員できる。いたちごっこだ。
「と、言う事は。不運な事故にでも遭ってもらわないとどうしようもありませんね。」
そうだ、それを考えていた。突然全員が疫病にでもかかって引いてくれれば最高だが、それは望むべくも…
「偵察隊はてんぷら族でしょう、そいつらだけでも買収したりできませんか。」
できれば楽だが、同時に口が軽いからな…てんぷらだし。
「…ねーねー、てんぷらだろうが人間だろうが、無くちゃ困る物があるじゃない。」
「空気!」
寝てろ。…なるほど、補給か。
「食料を現地調達なんて馬鹿な真似をしてるんじゃなかったら、何処からか買い付けて、持ち込んでるはずでしょ。
それを頂いちゃうなり焼いちゃうなりしたら、困るんじゃないかしら。
特に、油のないてんぷら族なんてただのぐーたらでしょ?」
言い過ぎだ、が、一理ある。
海賊や事故を装って、補給品を駄目にしてしまえば…、難しいな。
「元々の難しさから考えたらどうって事ないわよ。やるだけやってみたら?」
「では、商会の情報網からそれらしき物がないか探ってみます。ニーベル船長に、もしもの場合は幾ら使えるか伺っておいて頂けませんか?」
ああ、分かった。
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